断罪アリス
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item:1 back of a smile
「男がガチ泣きとか凄い恥ずかしい……」
俺は腫れぼったい瞼を押さえながらため息を吐いた。
「別に恥ずかしくないでしょ。私からすれば泣かない方がおかしいと思うよ」
隣を歩くアリスさんの呆れたような、励ますような声がする。
確かにそうだけどさ、何というかアリスさんにはカッコ悪い所を見せなくないというか……。
「──って、俺は何でそんなこと思ってたんの!?」
突然の俺の大声に、アリスさんはビクリと体を揺らした。
「な、何したの、急に?ビックリしたんだけど」
「す、すみません……」
バクバクと鳴っているであろう胸を押さえる彼女に、頭を下げた。