断罪アリス
「……なら、教えて上げようか?」
ふと、隣で話を聞いていたアリスさんの声がした。
「アリスさん!?俺は翔平を──」
「巻き込みたくないのは分かってる。でも、彼は自分の身よりも真実を知りたがっている。君の力になりたい、ってね」
アリスさんは俺をチラリと見て、翔平へ視線を向ける。
「君は検事になりたいみたいだけど、この秘密を知ればその夢は叶わなくなるよ?」
「構わない。自由なんか求めない、俺は不自由でも親友の力になりたい」
検事になる夢を放ってまで、俺の力になろうとしてくれている翔平。
「本当に何考えてるんだよ……、馬鹿……」
滲む視界の中胸ぐらを掴む翔平の胸をどつくと、翔平は「馬鹿はお前だ」と笑った。