断罪アリス
俺はなず姉達の方に視線を向ける。
そこではケンカを始めているなず姉と父さん、それを見て笑っているアリスさんがいる。
アリスさんの傍では羽取さんと一飛さんも笑っていた。
「七砂、何故お前は女らしく出来ないんだ!?その言葉遣いも治せと言わなかったか!?」
「出来たら苦労しないわ!言葉遣いは元ヤンの父親譲りだ!」
「元ヤン言うな!」
「あっはははは!もう面白すぎる!小鳥遊家は愉快すぎ!」
「やれやれ、もっとやれー!」
「才暉、煽っちゃ駄目でしょ。プクク……」
さっきの重い空気と違って、皆笑っている。
目の前の光景に、俺は自然と頬が緩む。
非日常の中のありふれた日常。
それがどれだけ幸せなものなのか実感した。