断罪アリス
「何でよ、莉瑚……」
部屋の電気も付けずに、朽月莉瑚の母──朽月江莉子はソファーで頭を抱えていた。
昼間、彼女は同期で隣の家に住む小鳥遊星司に呼び出され、衝撃的なことを知らされた。
最近夜間外出をしていた一人娘の外出理由を知らされたのだ。
大学生なら夜間出掛けるのは構わない。
だが、莉瑚は女の子だ。
夜遅くに出歩いて何かあっては遅い。
いや、既に遅かったのかもしれない。
「人を殺してたなんて嘘よ……」
夜間外出の理由が人を殺すためだったのだから──。