断罪アリス


それなのに、切碕だけは楽しそうに笑っていた。




「あっははははは!やっぱり、面白いものが見れた!」




下衆としか思えない切碕の性格に、反吐が出そうだ。




親が子を殺したというのに、何で笑っていられる?




何で楽しめる?




そう思ってはいるのに、何で俺は何も感じないんだろう。



幼なじみが死んだのに悲しくも何ともない。




俺はこんなに薄情な奴だったのか……。




刺された場所が痛い。




でも、そこ以外にも何処かが痛い。




何処が痛いんだ?




「あー、面白いものが見れたし帰ろうかな」




切碕はひとしきり笑うと、俺をチラリと見て仲間達を連れて一瞬にして消えた。





< 447 / 595 >

この作品をシェア

pagetop