断罪アリス
それなのに、切碕だけは楽しそうに笑っていた。
「あっははははは!やっぱり、面白いものが見れた!」
下衆としか思えない切碕の性格に、反吐が出そうだ。
親が子を殺したというのに、何で笑っていられる?
何で楽しめる?
そう思ってはいるのに、何で俺は何も感じないんだろう。
幼なじみが死んだのに悲しくも何ともない。
俺はこんなに薄情な奴だったのか……。
刺された場所が痛い。
でも、そこ以外にも何処かが痛い。
何処が痛いんだ?
「あー、面白いものが見れたし帰ろうかな」
切碕はひとしきり笑うと、俺をチラリと見て仲間達を連れて一瞬にして消えた。