断罪アリス
分かってはいたけど、私と母は意見が合わない。
作られた人間を人として見る私に対して、母は作られた人間はモノとして見る。
研究を止めたい私に対して、母は続けてより良いものを作ろうとしている。
何で親子でこんなにも意見が合わないのだろうか?
私はため息を吐くと、ふと痛んだ頬に触れた。
「アリス!」
ふと、前からお父さんの声がした。
お父さんは私に近付いてくるなり、眉をひそめた。
「アリス、三月さんと──」
「喧嘩したよ。んで、終いにはビンタされたから話を強制終了して来た」
お父さんが言いたいことは分かったから言われる前に言った。
言おうとしたことを先に言われたお父さんは苦笑いだ。