断罪アリス
「……もう大丈夫です」
俺はアリスさんを離した。
心地好かった温もりが離れて名残惜しくなる。
「首……大丈夫ですか?」
アリスさんの首には俺の手の跡がうっすら残っている。
でも、彼女はあっけからんと笑った。
「大丈夫大丈夫!そのうち消えるから」
消えると言っても殺されかけた跡だ。
いい気分はしないだろう。
すると、いきなりアリスさんは俺の額にデコピンしてきた。
「いっつ……」
「ほら、そんな顔しない!やっと目が覚めたんだからシャキッとしなよ」
「……地味にデコピンが痛いんですけど」
「なら、シャキッとするようにもう一発行く?」
「遠慮します」
即答で返すと、彼女の「あら、つまらない」と笑った。