断罪アリス
とある廃屋。
「~♪~♪~♪~♪」
薄暗い廃屋に切碕の鼻歌が響く。
彼は鼻歌を歌いながら何か書いているのか、ノートにペンを走らせている。
「ご機嫌ね、切碕」
そんな切碕に潮が声をかけた。
「分かる?」
「鼻歌を歌っている所を見たら誰でも分かるわ」
潮の素っ気ない言葉に、切碕はペンを走らせる手を止めて彼女を見た。
「まだ怒ってるの?」
「……別に」
別にと言っているが、潮が怒っているのは明確だ。
何せ……。