断罪アリス
「……来ると知ってて、警備を緩めてたくせに」
「そりゃあ、君を作ったのは私だからね。考えていることはお見通しだよ」
彼の自信満々の言葉に、足音の人物は呆れたようにため息を吐いた。
その自信満々な姿は彼女にそっくりだった。
「ところで、君は私の愛娘を裏切ったらしいね。何故だい?」
「俺を作ったなら分かってるんでしょ?」
「分かっているさ。君がアリスを裏切った理由も今此処に来ている理由も」
彼にはその人物の目的が分かっている。
娘を遥かに上回るIQの持ち主だ。
全て分かっていて、今此処にいる。
自分がこれからどうなるかも──。