断罪アリス


「それより、小鳥遊君さ。そんなに固くならなくても良くない?」




寿永さんが苦笑いを浮かべながらそういうけど、固くならない訳がない。




そして、かなり居心地が悪い。




え?何故かって?




何故って──。




「無理に決まってます……。だって、此処、寿永本邸じゃないですか……」




そう、俺が今いるのは寿永本邸のテラスだ。




寿永本邸だよ!?




三名家の一つの名家の本邸のテラスだよ!?




寿永本邸は二階建ての洋館で、名家だけあってとにかく広い。




本邸の他にも別邸があり、この広大な敷地内にはプールはもちろん屋内運動場や馬場があるらしい。




それに、この独特の高貴な空気が俺を更に緊張させる。





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