断罪アリス


「……今朝、俺宛てにこれが届いた」




寿永さんは近くに控えていた使用人から封筒を受け取ると、アリスさん達の目の前に置いた。




封筒を差出人の名はなく、表にただ≪寿永 周様≫と手書きで書かれている。




でも、その文字には何処か見覚えがあった。




「この字は朱鷺のモノだ……」




封筒を取ったアリスさんが驚きを隠せない様子で呟く。




あ、そうだ。




この字は風間さんのモノだ。





驚きを隠せないアリスさんに寿永さんは中を開けるように促す。




彼は中身を確認済みらしく、アリスさんと理事長に中身を見て欲しいらしい。




中に入ったいたのは真っ黒なノートで、表紙には何も書かれていない。




「何だ、この不気味な中身は……」




ペラペラとページを捲るアリスさんの隣で、それを覗きこむ理事長が顔をしかめる。




俺もそれを覗きこむが、見ていて気分が悪くなるものだった。





ノートの内容は簡単には言えば、人の殺し方を明確に書いたもの。




黒いページの赤のインクで書かれた文字や絵は内容を更に不気味にさせる。





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