断罪アリス


これなら早々に風間さんと会えそうだ。





──と思ったけど。




「チッ!何で渋滞してんの!?」




盛大な舌打ちをして、アリスさんは苛立ったようにハンドルを叩く。




俺はその叩く力の強さに、エアバッグが開かないか心配だった。




「早く行かないと……。朱鷺……」




ハンドルを握るアリスさんの手は震えていた。




こうなったら……。




「アリスさん、多分この車の渋滞は切碕が仕組んだことだと思います」




今、渋滞が起きている場所は普段だったら絶対渋滞の起きる場所じゃない。




ということは切碕が何らかの方法で交通障害を作り出し、渋滞を起こした。





車で来るとアリスさんが読んでなのか、それとも風間さんの車での逃走を阻むためのかは分からない。




でも、此処でじっと待っている場合じゃない。




かといって、車を降りて、車を放置して走るわけにもいかない。





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