断罪アリス
「君こそ大丈夫?」
「私は大丈夫。それより、腕見せて!」
アリスは小鳥遊君の腕を強引に引っ張った。
小鳥遊君の腕は裂傷が出来ていて、痛そうだ。
ふと、二人の傍に大破したバイクを見つける。
もしかして、俺を追ってきて、バイクで切碕達を止めたのか?
何て無茶を──。
「アリスちゃんに天河君。よくも邪魔してくれたね」
すると、二人から少し離れた所で大破したバイクから切碕と仲間達がのっそりと起き上がった。
切碕のターゲットは俺から二人に移ったようで、奴は俺を見ていない。
「本当に君達には僕の邪魔をするのが好きだね」
その忌々しそうな言葉の割りに、切碕は何処か楽しそうだ。
「でも、さすがにバイクで突っ込んで来るとは思わなかったよ。お陰で大切な仲間が壊れてしまった」
チラリと見た切碕の視線の先には頭から血を流しぐったりとする三つ子の一人と胡蝶がいる。
「「アンジェラ!!」」
「しっかりしなさい、胡蝶!」
二人とも早く治療しないと手遅れになるかもしれないほどの重傷だ。