断罪アリス
「良いよ。とりあえず、この子を見つけられたからね」
そう言えば、朱鷺は私の腕の中に倒れる小鳥遊天河を覗き込む。
「彼が小鳥遊潮の息子……。彼女によく似ているじゃないか」
確かに姉であるなっちゃんとこの子は二人の母親である小鳥遊潮によく似ている。
整った容姿は母親に似ても父親に似ても作られるものだけど、彼は確実に母親似だ。
彼には容姿以上に、小鳥遊潮に似ている部分がある。
それはまだ目覚めていない彼の中にあるDNAに隠されたモノ。
本人は知らない隠されたそれはあまりにも残酷な真実だ。