断罪アリス
一頻り笑って満足したのか、志岐院長は咳払いをして気を取り直した。
「済まなかったね、まさかそこを突っ込まれるとは思わなくてね」
「……お気になさらずに」
「くくく……。改めて、名乗ろうかな。私は志岐聡、志岐和泉は私の息子だ」
和泉と志岐院長は親子。
つまり、アリスさんと和泉はいとこ。
やっと意味が通じた。
分家っていうか、血縁じゃん……。
「それで、アリスは此処に何しに来たんだ?彼らは潮の見舞いだろう?」
「久々に叔父さんに挨拶でもしようと思ってついてきた」
アリスさんの言葉に、志岐院長は盛大にため息を吐いた。