断罪アリス


一頻り笑って満足したのか、志岐院長は咳払いをして気を取り直した。





「済まなかったね、まさかそこを突っ込まれるとは思わなくてね」




「……お気になさらずに」




「くくく……。改めて、名乗ろうかな。私は志岐聡、志岐和泉は私の息子だ」




和泉と志岐院長は親子。




つまり、アリスさんと和泉はいとこ。




やっと意味が通じた。




分家っていうか、血縁じゃん……。




「それで、アリスは此処に何しに来たんだ?彼らは潮の見舞いだろう?」




「久々に叔父さんに挨拶でもしようと思ってついてきた」




アリスさんの言葉に、志岐院長は盛大にため息を吐いた。






< 534 / 595 >

この作品をシェア

pagetop