断罪アリス


そして、力任せに壁を拳で叩いた。





何度も何度も叩いて、しまいにはその場にしゃがみこんだ。




「何で君はいつもいつも……」




コトリ君はいつも自分より人のことを優先する。




死になくないなら生きれば良い。




私だったら、その方法を見つけられる。




だから、切碕の書いた黒いノートを解読しようとしていた。




それなのに、君は──。




涙が溢れて止まらない。




胸が張り裂けそうなくらい痛い。




こんな気持ちになったのは和真を失ったとき以来だ。




コトリ君、君は死ななくて良い。




私が君を生かす。




絶対に生きてもらうんだ。





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