断罪アリス
「君もそう思わないかい?」
切碕の視線が俺に向けられた。
思うわけがない。
俺は皆に笑っていてもらいたいんだ。
そんなものを見て、楽しいわけがない。
否定しようと口を開いた、その瞬間──。
「撃てぇ!」
聞き慣れた声とけたたましい爆発音と共に、一部の床が抜けた。
「くっ……」
俺は粉塵を吸い込まないように袖で口を押さえ、もう片方の手で頭を守った。
何だ、この爆発は?
こんなことするのは一人しか思い付かない。
でも、俺はその人だとは思いたくなかった。
その人だと……、彼女だと思ってしまえば、決心が揺らいでしまいそうだったから。
「アンタは加減を知らないのか!?もし、天河に当たったらどうするつもりだ!?」
「当たんないから大丈夫だよ。才暉達の腕を信じなよ」
「彼らは信用できる!アンタが出来ないんだよ、あたしは!」
「えー、心外だなー」
聞こえる声はやっぱり彼女となず姉のもの。