断罪アリス


ふと、目の前に複数の人影が現れる。




「まったく何で一人で行くんだよ、馬鹿天河」




「僕らに頼ってくれれば良いのに」




そこにいたのはロケットランチャーを肩に担ぐ羽取さんと一飛さん。





「俺もロケットランチャー撃ってみてー!なぁ、和泉」




「馬鹿……翔平に持たせたら終わりだよね」





「今、馬鹿って言ったか!?」




あと下らない喧嘩をしようとしている和泉と翔平。





そして──。





「迎えに来たよ、コトリ君」





穏やかに笑う彼女──、アリスさんは何度も俺を救い出してくれたその小さな手を俺に差し出していた。




「アリス……さん……。それに、皆も……」




俺は目の前の彼女達の姿に、視界が滲んでいくのが分かった。





どれだけ彼女達から距離を取ろうとしても彼女達は俺の傍に来る。





俺を助けてくれる。




俺を救い出してくれる。




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