断罪アリス
今思えば、彼を保護せずにさっさと殺してしまえば良かった。
切碕以上に危険人物の彼を殺す理由はあっても、生かす理由なんて無かったんだ。
何故、あの時の私は彼を生かしたのだろう?
アイツ以上に大切な人なんて私に出来るなんて有り得なかった。
なのに、私は──。
私はいつもそうだ。
失ってから大切な人だったことに気づく。
アイツを失った六年前も。
そして、腕の中で静かに眠る彼を抱き締めている今も──。
≪アリスside end≫