断罪アリス
「コトリ君ッ!」
駆け出す俺の服を掴もうとした彼女の手が空を掴む。
踏み出す一歩が重い。
切碕が威嚇するように発砲した弾が頬をかすった。
頬が焼けるように痛い。
でも、良いんだ。
俺は──。
「切碕ィィイッッッ!」
切碕の体を突き飛ばすと、俺の体も宙に浮いた。
突き飛ばした先にはさっきロケットランチャーで壊され、穴が開いた床がある。
浮いた体は重力に逆らうことなく、下に落ちていく。
「天河君、君は……っ!!」
俺は切碕の体を自分たち体でがっちり掴むと、口角を持ち上げる。
「俺とお前は生きてたらいけないんだよ、切碕」
切碕の顔が怒りで歪む。