断罪アリス
item:4 well not forget
もう目の前が真っ暗だ。
何も見えない。
俺は死んだのか?
まあ、死ぬつもりで切碕と下に落ちたんだ。
死んでも良かった。
でも、何でだ?
何で、頬が濡れてるんだ?
何で、温かさを感じるんだ?
俺は重い瞼を開くと、目の前には大きな目にいっぱいの涙を浮かべるアリスさんがいた。
「コトリ君!」
「天河!」
アリスさんだけじゃない、なず姉や父さんと母さん、和泉と翔平もいた。
皆、顔が辛そうに歪んでいる。
ふと、頬がまた濡れる感覚がした。
そうか、頬が濡れているのは俺を抱き起こしているアリスさんに泣いているからか……。