断罪アリス
「温かいですね……、貴女は……。この……温もり……離れたくないな……」
「何馬鹿なこと言ってんの!?離れないよ!私のこと好きだって言ったくせに、離れていくつもり!?」
涙を流しながら怒鳴る彼女に、俺は苦笑いしか浮かべられない。
俺だって離れたくない。
でも、離れなくちゃいけないんだ。
それが俺の決めたことだから。
「それに、此処で死んだら後悔するよ!なっちゃんの子供抱きたくないの!?」
なず姉の子供?
あー、なず姉、一色さんとの子供が出来たのか。
良かった、俺が死んでも新たな命がなず姉達を笑顔にしてくれる。
なず姉の子供を抱けないのは残念だけどね。
「アリスさん……」
名前を呼べば、彼女は握っている俺の手をぎゅっと握ってくれる。
「俺……生まれてきて良かった……」
俺の中の真実を知ったとき、自分が生まれてきたことを恨んだ。
何で俺がこんな目に……って思った。
でも、今は違う。