断罪アリス
「翔鷹に配属されるのは主に作られた人間とそれを知っていた警官。父さんや母さん、修造さんも配属される」
「うちからも才暉と一飛が入るよ。あと、翔鷹のトップには周が配置されるし、藤邦も蓬條も資金援助する」
結果的に三名家が絡むのには変わりない。
だから、ますます暴動が悪化するかもしれない。
全てが良い方向に進むとは思えなかった。
「彼はこれを望んでた訳じゃないのにね……」
私はミルクティーの入ったマグカップを両手で包むと俯いた。
「藤邦アリス、アンタはまだ天河が好きか?」
「……多分」
「なら、そんな顔をするな」
なっちゃんは驚いて顔を上げた私の頬をつねった。
しかも、思い切り。
「いひゃい!いひゃいよ、なっひゃん!」
私はなっちゃんの手を離させると、つねられた頬を擦る。