断罪アリス


「天河はアンタに笑っていろと言った。別に平和になってほしかった訳じゃない、ただ見えたアンタに笑ってほしかっただけなんだよ」




「……っ」




彼は命を落とすまで私に笑ってほしいと言っていた。




なのに、今の私はどんな顔をしている?




ちゃんと笑えてる?




私はなっちゃんの言葉に苦笑いを浮かべると、空を見た。





真っ暗な空には満天の星空が広がっている。




たくさんの星は彼を思い出させる。





天の川から付けられた名前を持つ彼を。




「彼は……天河は私達を空から見てるのかな……」




死んだ人は星になるとよく言われている。




だから、彼も星になったはずだ。





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