断罪アリス
「何が起きてるんだ……?」
自分の身に起きていることが分からず、無意識に身体が震えた。
身体の中がざわついてる。
俺は俺一人なのに、身体の中にもう一人俺じゃない誰かがいるような気がする。
そして、いつかその誰かに俺が消されてしまうような錯覚に陥った。
「──って、此処は何処?」
はっと我に返ると、俺は自分のいる場所を確認した。
今、俺がいるのは革張りの高そうなソファー。
周りは壁一面本棚で、そこにはたくさんの本。
窓際には社長が座るみたいなデスク、部屋の所々には観葉植物が置かれている。
そして、床一面に無造作に散らかされた書類やら本──。