断罪アリス
「初だねー、可愛い!」
アリスさんは面白がって俺の頬をつついてきた。
いや、ホントに待って。
俺からすれば綺麗な人が目の前にいて嬉しいけどさ、これ以上やったらなず姉が本気でキレ──。
「藤邦アリス……」
ドスのきいたなず姉の声に、俺は既に手遅れだと察した。
「今すぐ出てけ!天河をアンタのおもちゃにはさせん!」
なず姉の怒号に、アリスさんは飄々と笑っていた。
「なっちゃん、ホントにブラコンだねー。もう楽しすぎる。絶対出てかない」
「………っ!?」
ヤバいヤバい、これはヤバい。
俺は状況のヤバさに焦り、風間さんに助けを求めようとした。
でも、彼はこれだけ騒がしいというのに布団に入り、アイマスクをして既に眠っていた。
唯一の頼みの綱が寝てるし!