Spice‼︎
梨花は海外事業部に戻って仕事に励んだ。

今の梨花にとって仕事で頑張って成果を出すしか無い。

土方はギクシャクしても相変わらず優しかったが
梨花は優しくされると申し訳なくなって返って辛かった。

「戻ってくれて良かったよ。
お前居ないと結構大変でな。

ここの奴ら整理するってことができない奴ばっかで…

ま、風当たり強いと思うけど頑張ってな。」

「土方次長…色々すいませんでした。
ありがとうございます。」

土方は振られてもまだやっぱり梨花の事を目で追ってしまう。

梨花もその視線に気がついているが気付かないフリをした。

資料室へ行く廊下で桐原とすれ違った。

「復帰したんだな。

風間のことはもういいの?」

「はい。」

桐原は梨花の顔色が良くない事にすぐに気がついた。

色々大変だとは思ったが梨花なら乗り越えられると信じていた。

しかし梨花の浮かない顔を見てやはり心配になる。

「後で連絡するよ。」

「はい。」

梨花は桐原と話すのも緊張した。

みんなに見られてる気がして怖かった。

休憩室で休んでるとまたしてもコーヒーをかけた女子社員たち3人がやってきた。

「藤城梨花、またここで男物色してる。」

ワザと聞こえるようにそう言うと
梨花の真正面のテーブルに座って睨みつけてる。

その視線を遮るように一人の女子が梨花の前に座った。

「先輩、戻ったんですね。」

「あ…うん。」

なんと風間との噂を流した張本人の坂下茉美がやってきた。

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