Spice‼︎
「どうしてここに?」

風間の顔を見た梨花は桐原の方に振り返ってそう聞いた。

「3人で遊ぼうかと思って。」

「え?何言ってるんですか?」

梨花が困った顔をすると桐原は笑った。

「てゆうのは冗談で
俺たちは明日この近くの会社で朝早くからプレゼンがあって
ここで一泊して作戦練りながら備えてる。」

桐原が最近このホテルを使ってるのは
その会社に営業をかけていたからだ。

ホテルを使うほどの距離では無いが
とにかく辺鄙な場所で交通の便がよろしくない。

経営戦略部と営業部は共に行動する事がよくある。

「このプレゼンを成功させたら俺も風間も社長に一目置かれる立場になる。

だから頑張ってるワケだ。」

「だからってどうして私を呼んだの?」

桐原は梨花を抱きしめて言った。

「だからお前もガンバレよ。負けるなよ。」

風間がそれをみて嫉妬して
梨花の手を取って自分に引き寄せる。

「梨花さん、会いたかった。」

桐原がまた割り込んで梨花を自分の胸に抱いた。

「梨花はお前と別れるってさ。

新しいオモチャも出来たぞ。

高身長の色っぽいイケメン。」

風間は信じられないような顔をして梨花を見る。

「梨花さん、本当?」

「…うん。」

「しかも一緒に住んでるぞ。」

風間はかなりショックを受けていたが
婚約してる自分がどうこう言える立場じゃなかった。

「もし…婚約解消したら帰ってきてくださいね。」

梨花が戸惑ってると桐原がいきなり梨花にキスをした。

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