Spice‼︎
「結婚はしません!絶対に!」

「あの女がどうなってもいいのか?」

「この会社はそんなことが許されるんですか?
だったら私が辞めます。

会社を辞めて外で働きます。」

風間はそういうと社長室を勢いよく出ていった。

社長は風間がすでに自分の手に負えなくなっていると気がついている。

「すまんが、営業部の桐原次長を呼んでくれ。」

今度は桐原が社長室に呼ばれた。

「社長、桐原次長がいらっしゃいました。」

「政宗くん、呼び出して悪いな。」

桐原がここに呼ばれるのは初めてではない。

何度となくここに呼ばれ、
風間と共に大きなプレゼンを成功させる前にも呼ばれた。

「いや、今回も君に助けてもらったな。

健斗の面倒まで見させて悪い。」

「いえ、それで今日は何でしょうか?」

「健斗が結婚しないと言い出してな。

そこで君に人肌脱いでもらいたいんだが…」

桐原はこの社長家族のゴタゴタにウンザリしてる。

自分はこんな処理をするために孫娘の婿養子になった訳ではない。

「社長、結婚は見送れませんか?

無理矢理結婚させても健斗くんの為にならないと思いますが…

それよりここは思い切って投資会社を変えて見たほうがいいと思います。

上條社長の所は近頃あまり評判が良くないんです。

海外に良い会社があります。

この書類に目を通して頂けないでしょうか?」

そして桐原はいずれこの社長の家族の長になる為に努力してきた。
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