Spice‼︎
風間のマンションは最上階だった。

「まさか最上階とはね。

それにしても広い部屋。

ご両親は一緒に住んでないの?」

「両親はもっと良いところに住んでます。

僕は大学生から自立のために一人暮らしです。」

「自立になってないと思うけど…。

親に与えられた高級マンションに大学生の頃からでしょ?

贅沢だね。」

梨花は言うほどその部屋に興味はないようで、
買ってきたお酒を開けてリビングのソファーで飲み始めた。

「眺めがいいね。

うわっ、東京タワーが見える。」

そう言ってテラスに出た。

すると風間が後ろからブランケットを梨花の肩にかけて抱きしめる。

「藤城さん、風邪ひきますよ。」

梨花が突然振り向いて風間にキスをした。

風間はすこし戸惑いながら
今度は自分からキスしてみる。

そして梨花の口の中に舌を入れて絡ませると
梨花の身体から力が抜けていく。

梨花を抱き上げてベッドに寝かせると
もう一度キスをした。

相手が誰であれ、最初に寝るときはいつも冷めてる梨花でも緊張する。

抱き方はそれぞれ違うし、
相手によって趣向も違う。

桐原のように下着を着けたまま抱く男もいれば
土方のように首を絞めたりする男もいる。

風間はいたって普通だったが
梨花の弱い場所がすぐに分かるのか
とにかく欲しい場所を的確に攻めてくる。

梨花は自分でもビックリするほど感じてしまい、
終わったあとは目を合わせるのも恥ずかしかった。

「梨花さんて呼んでもいいですか?」

「うん。」

「僕たち相性いいですよね?」

「…そうかも。」

「続けませんか?」

「え?」

「僕、梨花さんのオモチャになります。」

「はぁ?」

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