Spice‼︎
風間が梨花の部屋に上がると
ヒロはお酒を出してくれた。

「梨花さん…どこ行ったんですか?」

ヒロは行き先を聞いてないが
会っている相手はわかってる。

それは風間も同じだった。

「桐原さん…ですね?」

風間が聞くとヒロは頷いた。

「梨花さんと風間さんと桐原さんて
どういう関係なんですか?

三人ともそれで納得してたんですか?」

「貴方は?
貴方も桐原さんと二股かけられてるのに
どうして許してるんですか?」

ヒロは溜息をついてテーブルに置いてあるタバコを取り出すと火を点けた。

そして溜め息と一緒に煙を吐く。

「俺と梨花さんは単なる同居人兼sex friendです。

寂しいから一緒にいて…ただ欲を満たすために肌を重ねる。

それだけです。」

それだけなのにヒロはあまりに哀しそうにそう言った。

風間はそれにもちろん気がついた。

「もしかしてヒロさんは梨花のこと…?」

ヒロは首を横に振ったが
ヒロの中では既に単なるsex friendだけでは無いと
風間にも分かっていた。

もしかしたら梨花も既にヒロを愛してるのかもしれないと不安がよぎる。

しかしヒロはそんな風間の思いを察したのか

「梨花さんは貴方を待ってますよ。」

そう言って風間のグラスにウイスキーを足した。

しかし結局その夜、梨花は帰ってこなかった。
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