Spice‼︎
梨花は風間を責めてるうちに涙が出てきた。

逢いたくてずっと待っていたのに
風間ときたら何とも情け無い姿だった。

「梨花さんとどう接して良いかわからないんです。

少なくとも今だって俺との事で迷惑かけてるんですよね?」

「だから会社に来ないの?」

「僕たち噂になってますよね?」

「だからって逃げるの?」

風間はまだ子供みたいで
梨花はイライラしている。

桐原も土方もヒロでさえ
風間よりずっとクールで大人だ。

「風間くんがこんなにだらしない男だと思わなかった。」

梨花はそう言うとバスルームに入ってしまった。

行き場のない風間はそのままソファに座っていた。

梨花がシャワーを終えて出て来ると
風間は梨花に近づいた。

ローブ一枚の梨花は相変わらずあまりにも艶っぽくて
風間は梨花が欲しくなる。

「何?」

梨花は近づいて来る風間を警戒するように睨んだ。

「梨花さん…」

梨花にキスしようとして頰を叩かれた。

「何考えてるの?ヒロがいるのに…」

「寝てますよ。」

「起きたらどうするの?」

「彼とはただのセフレなんですよね?」

ヒロが風間に自分のことをそんな風に言ったことを梨花はちょっと哀しく思う。

ヒロとは少しずつ距離を縮めてきたし
単なるセフレとは少し違うと思ってたからだ。

「ヒロがそう言ったかもしれないけど…
私の中ではもうそれだけじゃないの。」

梨花がそう言うのをヒロはベッドの中で聞いていた。
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