Spice‼︎
梨花はヒロと重なるように身体を密着させて眠った。

ヒロの身体は桐原より少し体温が低い気がする。

土曜日の午前中、梨花はヒロの腕の中で眠り続けた。

昼過ぎに起きると
まだ眠ってるヒロを起こさないように
またシャワーを浴びてジムに出掛けた。

ジムに行く途中でカフェにいる風間を見かけた。

風間も梨花に気がついて
2人でお茶を飲むことにした。

「さっきはごめん。

バスローブ一枚の梨花さん見たら欲情しちゃって。」

「まったく…何やってるの?」

風間は話そうかどうしようか迷ったが
結局梨花にしか頼る人も居ない。

ヒロのことは気になったが
「行くところがない。」
と正直に言った。

「え?マンション追い出されたの?」

「はい。だから…」

梨花は甘えて来ようとする風間に厳しい態度をとる。

「社長に頭を下げて会社に戻りなよ。」

「え?」

「ウチには入れないから!」

そう言うと席を立とうとした。

風間は梨花はの腕を掴んだ。

「梨花さん、怒ってる?」

「当たり前でしょ?情け無いったら…
だから風間くんは二世のボンボンとか言われるの!」

そんな風に怒ってはいるものの
梨花自身も風間が心配で仕方なかった。

「来週から会社に戻って働くって約束するなら
マンションに帰れるようになるまで泊めてあげてもいい。」

そしてジムに行ったはずの梨花は風間を連れて部屋に戻って来た。



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