Spice‼︎
ヒロはそんな梨花と風間を呆れるように見てる。

「ヒロくん、ごめん。
少しだけ置いてあげていい?」

「ここは梨花の部屋だから…ね。」

ヒロは少しだけ不安になる。

「あ、ヒロくん、絶対気を利かせて出て行こうとかしないでね。」

そんな不安をかき消すように梨花はヒロを引き止めた。

「でも…いいの?」

「うん。その代わり少しの間…ここでエッチ出来ないけど…」

風間はそれを聞いてドキッとする。

「ここでって…僕に隠れて何処かでするつもりですか?」

「風間くんに関係ないでしょ?」

ヒロはそんな梨花に圧倒されて苦笑いしている。

「じゃあ、俺…昼飯作るよ。」

ヒロが立ち上がろうとすると梨花が止めた。

「居候に作らせるからヒロくんは座ってて。」

「え?僕ですか?」

「そうよ。泊めてあげるんだから働きなさいよね。」

ヒロはそんな梨花を見て大笑いしている。

風間は仕方なくキッチンに立った。

「パスタでいいですか?」

「うん。

ヒロくんには負けるけど
風間くんもなかなか料理上手いから安心して。」

ヒロはこの奇妙な三人暮らしを楽しむことにした。

梨花と暮らすようになって
希との鬱々とした気分から解放され
日陰ばかり歩いていた自分が
少しずつ日の当たる場所へ向かって行ってる気がした。

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