Spice‼︎
梨花はこの休日に風間と2人っきりで
部屋で過ごす自信がなかった。

泊まるところも無く、睡眠不足が続いている風間は幸いにもヒロが出かけた後、
緊張がほぐれたのかウトウトと昼寝していた。

梨花はその隙に部屋を抜け出し
近くのブックカフェで本を読んでいた。

その時ヒロから電話をもらった。

「悪いけど…今から店に来れる？」

声のトーンからただ事では無さそうな気がしたので
梨花は行くと言った。

店のオープンまではまだ少し時間があった。

店内にはヒロともう1人女がいた。

見た瞬間、梨花はその女がヒロの不倫相手だとすぐにわかった。

「はじめまして。」

彼女は堂々と梨花に挨拶をする。

まるでヒロは私の男とでも言ってるみたいに思えた。

「こんにちは。」

梨花が頭を下げると
希は上から下まで梨花を品定めするように見た。

「確かに美人だし、胸も大きいね。

エッチな感じするし…

へぇ。本当に居たんだ。」

失礼な女だと思って梨花は

「何？」

とヒロに聞いた。

「ごめん、別れるって言ったら梨花に逢わせろって。」

そういうことか…と梨花は納得して
ヒロのために話を合わせる事にした。

「ヒロと付き合ってるの？」

「一緒に住んでます。」

「そう…」

希はヒロを見ながらそう答えた。

「ヒロのどこが好き？」

梨花は正直に答えた。
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