Spice‼︎
桐原は梨花の部屋の近くで風間を見て愕然とした。

『風間くんが戻ったら桐原部長とは別れます。』

そう言った梨花の事を思い出して腹が立った。

「アイツ…梨花と寄りを戻したのか…」

桐原は梨花の部屋に行く覚悟を決めた。

その時、ヒロが部屋から出てきた。

桐原は思わずヒロを呼び止めた。

「バーテンさん…わかりますか?」

ヒロは桐原の顔を見て頷いた。

「梨花の…」

「はい、そうです。

あの…梨花は風間と寄りを戻しましたか?」

ヒロは少し考えて返事をした。

「いえ、梨花は彼と別れるつもりですよ。」

「え?でも風間は部屋に居ますよね?」

「俺も居ますから。

梨花は彼と別れる準備してます。」

桐原は自分の為にそうしたのだと思ったが
ヒロが水を差すように言った。

「梨花は俺を選んでくれました。

あなたとも別れたんですよね?」

「梨花がそう言ったんですか?」

「いえ、ただ梨花は最近、あなたに会わなくなったでしょ?」

桐原の苛立ちは頂点に達した。

ヒロが出かけた後、
桐原は梨花の部屋を訪ねた。

そこにはもちろんさっき部屋に入った風間もいる。

「桐原部長…どうしたんですか?」

「梨花、ココを開けてくれ。」

梨花は突然の桐原の訪問に動揺していた。

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