Spice‼︎
部屋に戻るとヒロが部屋を片付けていた。
「行くの?」
「梨花が大丈夫ならいつでも行ける様にしておこうと思って。
梨花は一人で大丈夫?」
「私のことは心配しないで。」
ヒロが居なくなったらきっと凄く淋しくなるだろう。
梨花はヒロを背中から抱きしめる。
「ヒロくん、ありがとう。」
「淋しくなったらいつでも逢いに来て。」
「上海行くまでは毎晩あのバーに行くからね。」
そして梨花は上海行きに向かって本格的に準備を始めた。
一番の悩みは桐原にもう一度話をしなければならないという事だった。
聞き入れてもらえないかもしれないが
梨花はもう桐原との関係を続けて行くつもりはない。
梨花が今、桐原を選べば
一生後悔するだろうと思った。
桐原が会社を辞めて、離婚するとしても
梨花のせいでそうなるのは耐えられそうもない。
別れる家族のためにも
桐原が自分のために前へ進むための離婚でなければいけないと思った。
そして週が明けた火曜日、
梨花は桐原を自分から誘った。
いつものバーで待ち合わせて
ホテルでいつものように桐原に抱かれる。
こうして逢うのは今夜が最後だ…と言い聞かせて
桐原に脚を開いた。