Spice‼︎
その夜も梨花は風間に誘われて食事に行った。

風間は3年前よりいいスーツを着て
3年前より男っぽくなって色気も増した気がした。

梨花はそんな風間を目の前にして
少し緊張している。

「梨花さん、桐原さんに会いましたか?」

梨花はその名前を聞くだけで胸が苦しくなる。

「ううん。」

下を向いて素っ気なく返事をした梨花を見て
風間は梨花がまだ桐原を想ってることを知る。

「あの人はやっぱり凄いですよ。

あれから誘われてた会社には行かないで
自分で会社立ち上げたんです。

もちろんまだまだ大変な様ですが
この3年であっという間に大きくなりました。

ウチの顧客だった企業も桐原さんにいくつか持って行かれました。

もちろんまだまだ規模は小さいですが…

1人で立ち上げた会社は、今はもう従業員が10人はいると思います。

桐原さんは本当に凄いです。

頑張らないといつかウチも飲み込まれてしまうかもしれませんね。」

梨花はそんな桐原の噂を聞いて少しホッとした。

「梨花さん、桐原さんに逢いたくないんですか?」

梨花は首を横に振った。

「逢いたくない。
逢ったらどうなるかわからないから。」

その夜、風間は梨花を部屋に誘った。


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