Spice‼︎
「梨花…迎えに行くよ。そこは何処だ?」

理性を失った梨花は今いる場所を桐原の気持ちを試すように言った。

「桐原さんと沢山愛し合った場所。」

これで桐原がここに来てくれるのか梨花は不安だったが
桐原は迷わずに梨花と使っていたホテルに向かった。

梨花は部屋を出てロビーのソファーに一人座って桐原を待っていた。

「梨花…」

後ろから桐原が息がかかるほど近くで梨花の名前を囁くように呼んだ。

振り向くと梨花は崩れ落ちそうになって
桐原がそれを支えた。

「お前、かなり酔ってるな。部屋で休もう。」

梨花はその手を突っぱねる。

「そんな風に簡単に誘わないで。」

「簡単じゃないよ。ここまで…来るのは簡単じゃなかった。」

桐原は背中から梨花を抱きしめて言った。

「逢いたかった。」

梨花のカラダから力が抜けていく。

梨花が握っていた部屋の鍵を桐原が梨花の手から優しく奪う。

「部屋…行こう。」

耳元で口説かれて梨花は頷いた。

梨花を尾けてきた風間は離れた席からその一部始終を見て、
桐原と梨花が部屋へ上がるのを見届けてから帰って行った。

桐原と梨花がよく使っていた懐かしい部屋は3年前と少し内装が変わっていたが
桐原も梨花もそんなことに気がつく余裕もなく抱き合った。

桐原の声や指、そして唇…全てが懐かしくて愛しかった。

桐原もそれは同じで三年ぶりに抱く梨花のカラダは相変わらず綺麗でいやらしくて
桐原をすぐに夢中にさせた。

「相変わらず…お前はエッチな下着着けてるんだな。」

梨花は服を脱がされる時、
3年という月日でカラダの線が前より少し崩れてないか不安になるが
触れられるとそんな余裕もないくらい桐原に溺れていった。





< 198 / 265 >

この作品をシェア

pagetop