Spice‼︎
朝起きると桐原の腕の中に居て
目の前に桐原の顔がある。

梨花は顔のパーツを1つずつゆっくりと見つめる。

長い睫毛から綺麗な鼻筋…
そして少しだけ厚いセクシーな唇と順番に指で触れていく。

桐原の睫毛が揺れてゆっくりと目を開けると
梨花を見つめながらその手を掴んだ。

「イタズラしたろ?」

「やらしい顔してると思って。」

「いい男だなぁって思ったくせに。」

「はぁ?」

桐原が梨花の上に馬乗りになって
身体を抑えつけた。

「イタズラしたバツを与える。」

そう言って梨花の唇を奪うと身体に触れていく。

幸せだと梨花は思った。

こんな朝が毎日続いたら幸せ過ぎて怖いとも思った。

桐原に愛された後、急いで家に帰る支度を始める。

「もう出るのか?」

「同じ服で会社に行けないでしょ?」

「確かに昨日の今日じゃ
俺とヤったってバレるよな。」

そう言って桐原も支度を始めた。

「梨花…また逢いたいって言ったら?」

梨花は答えずにホテルの部屋を出て行った。

桐原は少し遅れて部屋を出る。

「1人残されるって結構寂しいもんだな。」

桐原はこの時初めて今まで抱くだけ抱いて
梨花をホテルに1人残して帰った罪の重さを知った。


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