Spice‼︎
そして食事が終わると梨花は近くのカフェに風間を誘った。

「コーヒーでも飲みましょう。」

風間は黙って後について行き、
梨花のためにカフェの重たい扉を開けた。

そして梨花を座らせるとカプチーノとアメリカーノを注文して席に着いた。

「昨日の事だけど…

ウチの多村っていう課長知ってる?」

風間は梨花の顔をジッと見ながら返事をした。

「うん。川崎の営業所にいた人でしょ。」

「昨日、電算課で私の歓迎会してくれたのね。

そしたらあの課長、やたら触って来てね…

これはマズイかなぁって思って…

風間くんに迎えに来てもらおうと思ったの。」

「うん。」

梨花は風間があまりに梨花を見つめるので
すこしの戸惑っている。

「あのさ、何か言いたい事とかあるワケ?」

梨花がそう聞くと風間は

「いや、話し途中でしょ?」

と答えた。

その時、オーダーの番号が呼ばれ、
風間がカプチーノとアメリカーノを取りに行き、
一旦話しが中断する。

梨花は戻ってきた風間に続きを話し始めた。

「それでね、風間くんが出なくて仕方なく席に戻ったの。

でも多村課長の隣には座らずに他の席に移ったのよ。

なのにまたついて来て…隣に座って…」

梨花は風間の視線が気になって途中で話を止める。

「え?どうしたんですか?」

突然話をやめた梨花に風間が聞き返したが、
梨花はからは別の答えが返ってきた。

「昨日、ホテルに泊まった相手が誰だかわかってるんでしょう?」

風間は頷いて、コーヒーを一口飲んだ。

「また続けるんですね?桐原さんと…」

「そうじゃない。

昨日は風間くんが来てくれなかったから…」

「桐原さんに電話したの?」

梨花は首を横に振った。

「風間くんだと思って
着信の相手も見ずに電話に出ちゃったら
桐原さんだっただけ。」

風間は大きな溜息をついた。
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