Spice‼︎
昼休みに社食で茉美とご飯を食べていると
風間がやってきた。

「あ、風間さん。」

「一緒にいいかな?」

茉美が嬉しそうに

「どうぞ。」

と言った。

しかし風間が座ったのは茉美の隣ではなく
梨花の隣だった。

茉美は不思議そうな顔をして

「こっち座らないんですか?」

と聞いた。

「こっちのが顔見えるし、話しやすいでしょ?」

と風間は飄々と答える。

そして梨花の肩に風間の肩が触れた。

梨花が慌てて箸を落とすと
風間はすぐに席を立って梨花に新しい箸を持ってきた。

「どうぞ。」

「あ、ありがと。」

そして茉美がそれを羨ましそうにワザと同じ様に箸を落とすと
風間は気付かずに梨花に話しかけてる。

それに気付いた梨花が席を立って茉美に箸を持ってきてあげた。

「ありがとうございます。」

思いっきり茉美が不機嫌な顔で風間を見てる。

「藤城さん、3課の先週の売り上げのデータってすぐに出ますか?」

「え?あ…うん。」

「じゃあ後で第4会議室まで持ってきてもらえますか?」

「わかりました。」

「お願いします。

じゃあ茉美ちゃん、また後でね。

それと仕事中はSNSも見ないし、
電話も出ないから。」

梨花は風間が茉美にあまりにも冷たい態度なのを呆気にとられて見ていた。

茉美の事は可哀想に思ったが…
梨花は何となく気分が良かった。

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