Spice‼︎
梨花はその足で、桐原の部屋に向かった。
「珍しいな。梨花の方から会いに来るなんて。」
「迷惑だった?」
「いや、嬉しいよ。
梨花ならいつだって歓迎する。」
「H出来るから?
私は桐原さんにとってそういう存在でしょ?」
「それだけじゃないだろ?
確かに逢えばそういう行為には及ぶけどな。
それは恋人のお前が魅力的だからだ。」
「私達、恋人っていうほど深くないでしょ?」
桐原は梨花を抱きしめると
「毎回奥深くまで愛してやってるだろ?」
と冗談を言って本心を隠した。
「桐原さんは誰かとちゃんと付き合った事ある?
告白して、デートしたり…ドキドキしながら初めてのキスしたり…
今は無理でも若い頃はあった?」
桐原は少し困った。
梨花に言われた通りそんな風に付き合った事がない。
自分からは誰一人愛して来なかった。
若い頃は来るものは拒まずで…
向こうから声をかけられて特定の彼女は作らず
適当に同時に何人もの女の子と遊んで
女の子同士で揉めたりしても知らん顔だった。
「私ね、風間くんが初めてだったの。
そういう…ちゃんとした恋愛みたいな感じ?」
その言葉は桐原にはかなりの衝撃だった。
「その前に土方とも付き合ってたろ?」
「確かに周りから見たら付き合ってるように見えたかもしれないけど…
土方部長にはときめかなかった。
愛されてるという実感もなかったし、
大事にもされてなかった。
あの人は自分勝手だったし、
プライドも高かったから自分の思い通りにならないことが許せなかったの。
だからニューヨークにも付いて行けなかったし、
再会しても変わらなかった。」
「それなら俺は?」
「桐原さんにはいつもときめいたけど…
桐原さんは遊びだと割り切ってるってわかってた。
不倫だったし…。
愛されてると思えたのは風間くんだけだった。
そんな風間くんに私もときめいた。
でも…それでも桐原さんが忘れられなくて…
風間くんの愛が苦しくなった。
私は一番大事なものを見失ってた。
桐原さんにに溺れて…わからなかった。」
桐原は梨花の瞳から零れ落ちる涙を指で拭った。
「梨花…俺は昔の俺じゃない。
今の俺はお前に逢う度に多分そのときめきってのを感じてる。
最初は遊びだと思ってたけど…
お前の事を利用したけど…それが間違いだって気付かされた。
お前が泣くと俺も胸が痛いんだ。
許してもらおうとは思ってない。
だけど…側に居て、これ以上お前を傷つけるモノから守ってやりたいと思ってる。
だから側に居させてくれ。
もう絶対に傷つけたりしないから。」
そして梨花にキスをした。
梨花は悲しかったけど、
そのキスがあまりに優しくて桐原の胸で泣いた。
「珍しいな。梨花の方から会いに来るなんて。」
「迷惑だった?」
「いや、嬉しいよ。
梨花ならいつだって歓迎する。」
「H出来るから?
私は桐原さんにとってそういう存在でしょ?」
「それだけじゃないだろ?
確かに逢えばそういう行為には及ぶけどな。
それは恋人のお前が魅力的だからだ。」
「私達、恋人っていうほど深くないでしょ?」
桐原は梨花を抱きしめると
「毎回奥深くまで愛してやってるだろ?」
と冗談を言って本心を隠した。
「桐原さんは誰かとちゃんと付き合った事ある?
告白して、デートしたり…ドキドキしながら初めてのキスしたり…
今は無理でも若い頃はあった?」
桐原は少し困った。
梨花に言われた通りそんな風に付き合った事がない。
自分からは誰一人愛して来なかった。
若い頃は来るものは拒まずで…
向こうから声をかけられて特定の彼女は作らず
適当に同時に何人もの女の子と遊んで
女の子同士で揉めたりしても知らん顔だった。
「私ね、風間くんが初めてだったの。
そういう…ちゃんとした恋愛みたいな感じ?」
その言葉は桐原にはかなりの衝撃だった。
「その前に土方とも付き合ってたろ?」
「確かに周りから見たら付き合ってるように見えたかもしれないけど…
土方部長にはときめかなかった。
愛されてるという実感もなかったし、
大事にもされてなかった。
あの人は自分勝手だったし、
プライドも高かったから自分の思い通りにならないことが許せなかったの。
だからニューヨークにも付いて行けなかったし、
再会しても変わらなかった。」
「それなら俺は?」
「桐原さんにはいつもときめいたけど…
桐原さんは遊びだと割り切ってるってわかってた。
不倫だったし…。
愛されてると思えたのは風間くんだけだった。
そんな風間くんに私もときめいた。
でも…それでも桐原さんが忘れられなくて…
風間くんの愛が苦しくなった。
私は一番大事なものを見失ってた。
桐原さんにに溺れて…わからなかった。」
桐原は梨花の瞳から零れ落ちる涙を指で拭った。
「梨花…俺は昔の俺じゃない。
今の俺はお前に逢う度に多分そのときめきってのを感じてる。
最初は遊びだと思ってたけど…
お前の事を利用したけど…それが間違いだって気付かされた。
お前が泣くと俺も胸が痛いんだ。
許してもらおうとは思ってない。
だけど…側に居て、これ以上お前を傷つけるモノから守ってやりたいと思ってる。
だから側に居させてくれ。
もう絶対に傷つけたりしないから。」
そして梨花にキスをした。
梨花は悲しかったけど、
そのキスがあまりに優しくて桐原の胸で泣いた。