Spice‼︎
目覚める独占欲
自分でもどうかしてると思う。

昨晩も風間を部屋に泊めてしまった。

風間がオモチャではなく、
いつの間にか、自分が風間のオモチャになってる気がした。

梨花はまだ眠ってる風間を起こさない様に
ベッドから抜け出し、
朝からジョギングをして頭を整理する。

頭をスッキリさせたい時、
早朝ジョギングを行ってきたが
頭は整理できても心は整理できないことに気がついた。

部屋に戻ってシャワーを浴び
朝食の準備をした。

風間はまだ眠ってる。

梨花は風間の寝顔を見つめて
この男をどうしようかと考えていた。

突然、風間が目を覚まして梨花にキスをした。

「おはよう。」

「…おはよう。
もう起きないと遅刻するよ。」

「うん、わかってる。」

「朝ごはん食べてく?」

「うん。」

「今朝はタメ口なんだね。」

「二人の時は良いかなって…ダメ…ですか?」

「ダメ。風間くんはあくまでオモチャだから。」

「オモチャはタメ口NGですか?」

「うん。

私のオモチャはタメ口はきかないし、
勝手に家の前で待ったりもしない。

これからは私が呼んだときだけ来て。」

風間は冷たくしても表情ひとつ変えない。

「わかりました。

毎日でも良いですから梨花さんが呼んでくださいね。」

梨花はコーヒーを入れて風間の前に置いた。

「どうして私なの?」

「理由なんか無いですよ。」

「私のこと人も気遣えない、友だちも作らない、
面倒が嫌いな冷血女だってわかってるんでしょ?」

風間はミルクと砂糖を沢山入れたコーヒーを
二口ほど飲んで答えた。

「…しいて言うなら痛みを知ってるからかな?

梨花さんは痛みを知ってるんです。

だから…傷つきたくなくて誰も寄せ付けない。

多分僕に似てるんです。」

「わかった様なこと言わないで。

オモチャのクセに。」

そして風間は梨花の手を取り、指を絡ませながら言った。

「でも梨花さんにはこのオモチャが必要でしょ?」

まっすぐ見つめられると嘘がつけなくなる。

梨花は風間の指にキスをして

「うん。」

と頷いた。










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