Spice‼︎
梨花は必ず始業時間の30分前に席に着いてる。

私生活は不真面目だけど
仕事はかなり真面目にミスなくこなす。

朝からパソコンに向かってひたすら仕事をする。

「先輩、少し休みませんか?

一緒に休憩とりましょう。」

時計を見ると10時過ぎている。

「コーヒー飲みましょうよー。」

後輩の茉美に手を引かれ
休憩室でお茶を飲む。

電算課のデスクでは飲食は禁止でカフェの様な休憩室でお茶を飲む。

休憩時間は自由だが
もちろん休憩ばかりしていては仕事の効率が悪くなる。

梨花は滅多に休憩を取らなかった。

こうして茉美みたいな気を遣ってくれる後輩でも居ないと
いつまでもパソコンの前でキーボードを叩いてる。

「先輩、何のためにそんなに頑張るんですか?」

「は?だって仕事でしょ?
給料だって上がって欲しいし、
出世だってしたいし…茉美ちゃんは違うの?」

「私は25で結婚して会社辞めますから。」

「へぇ?結婚したいんだ?」

「先輩は彼氏とか居ないんですか?

いつも結構早く帰りますよね?」

梨花は残業をほとんどしない。

その日の仕事はキチンと就業時間までに終わらせるからだ。

梨花は少しも動じないで

「彼氏なんて居ないし…
早く帰るのは軽く運動するため。

デスクワークばっかりじゃカラダが鈍るでしょ?」

と言った。

桐原とのsexもある意味運動みたいなモノなのかもしれない。

梨花の私生活は茉美にとっては全くの謎である。

「彼氏居なくて寂しくありません?」

「寂しくなんて無いけど…

カレシなんて面倒なだけじゃない。」

その昔、梨花にも彼氏という存在がいた。

しかしそれは桐原と出会う前の話で
もう5年も月日が過ぎていた。

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