Spice‼︎
決算期になると経理部は忙しくなる。

いつもは残業しない梨花も
この時ばかりは仕方がない。

自分の仕事は早々と終えて
他の人のフォローや経理課の手伝いまで
梨花は人一倍仕事をこなしていく。

「藤城さん、こっちもお願いできますか?」

「はい。」

そんな一日を終えてクタクタになって部屋に帰る。

今夜は疲れすぎて風間の所に泊まる元気は無い。

ところが自分の部屋に帰ると風間が来ている。

お互いの合い鍵を交換して
風間と梨花はいつでも部屋を行き来出来る。

(今日は早く寝たいんだけどな。)

しかしドアを開けると良い匂いがしてホッとする。

「疲れたでしょ?

夕飯は食べました?」

「ううん。何にも食べてない。」

「鍋作りましたから食べてください。」

その匂いに梨花の食欲が刺激されて
梨花はお腹いっぱい食べると
シャワーを浴びてビールをひとくち飲んだだけで
すぐ眠たくなった。

「梨花さん、風邪引きますよ。」

風間が梨花のバスローブを脱がせて
ベッドに寝かせる。

そして自分の腕の中で梨花を眠らせる。

早朝、風間の腕に抱かれて眠ってる梨花が目を覚ます。

風間は気持ちよさそうに寝息を立ててる。

梨花がキスすると風間は目を覚ました。

「良く眠れました?」

「うん。」

「梨花さん…僕が欲しくて起こしたでしょう?」

梨花は答えずに風間の胸にキスをする。

風間が梨花を抱き寄せて
梨花のカラダに触れていく。

幸せだった。

風間がいれば何も要らないと思った。



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