Spice‼︎

梨花がカフェに着いて席に着くと
茉美がいきなり目の前のコップに入ってた水を梨花にかけた。

梨花は茉美の豹変ぶりに呆気にとられたが
冷静にハンカチで拭こうとすると
ビックリした風間がすかさず自分のハンカチを出して梨花の顔を拭いた。

それが茉美の気持ちを更に逆撫でした。

「何のつもり？」

茉美の怒りは爆発して
風間の頬を思い切り叩いた。

「茉美ちゃん、少し落ち着いて。
これじゃ話にならない。」

風間がそう言うと茉美の怒りはさらに膨れ上がった。

「落ち着いてなんかいられない！

隠れて付き合ってたの？

私のことバカにしてたの？」

茉美は納得いくはずもなく、
冷静に物事を受け止められない様子だった。

「そうじゃないけど…ごめん、僕は梨花さんが…」

風間が本当の気持ちを打ちあけようとした時、
梨花が遮るように言った。

「茉美ちゃん、私と風間くんは遊びだから。」

「何言ってるんですか？」

「私は結婚しないし、風間くんとは遊んでるだけ。

風間くんも同じだよ。

私とは結婚しない。

茉美ちゃんのお付き合いとはわけが違うの。

愛とか恋とかそんなのじゃないから。

茉美ちゃんが怒るのはわかるけど…

何を言っても今は無理でしょ？
謝って済む問題でもないし…。

だけど隠れてこんなことしてたのはずっと悪いと思ってた。

ごめんね。今はそれしか言えない。」

梨花は淡々とそう言って席を立とうとした。

「先輩、許しませんから。

先輩が遊びだって言っても、どう見たって風間さんは本気じゃないですか？」

「それは風間くんの問題だから。
私にはどうしようもない。」

そして風間が口を開く。

「茉美ちゃん…

君のことは可愛いとは思うけど…
僕が好きなのは初めから梨花さんだった。

梨花さんに近づきたくて君と付き合った。

悪いのは僕だ。僕が無理やり梨花さんに迫った。

遊びでもいいから付き合いたいって思った。

ごめん。君には本当に悪いと思ったけど…この気持ちはどうしようもない。」

茉美は完全に梨花に負けてると思った。