Spice‼︎
土方には梨花が結婚に興味が無いことはわかっていた。
それでもあえてプロポーズした。
もしかしたら梨花は寂しくて着いてくるかもしれないと淡い期待を抱いたからだ。
だけど結局、梨花は愛されることから逃げた。
「抱かれてる時しか愛されてるって実感できないだろ?
お前自身もその時しか人を愛さないようにしてるんだ。」
そんなことを言われると思ってもみなかった。
だけど土方が言ってることは当たってる。
「わかったようなこと言わないで。」
悔しいけど…やっぱり土方はアタマがいいと思った。
ケンカしてもどんな時でも土方はsexばっか求めてくると思ったけど
それは梨花にいっときでも深く愛されることを望んだからだ。
「誰かを愛して誰かのモノになって、
その男に依存したら
お前は壊れた時に堪えられない。
だから誰にも気を許さないんだろ?」
土方は梨花をよくわかっていた。
2年も深く付き合っただけの事はある。
梨花は常に傷つくのを恐れて
人と深く関わることを躊躇っては居たが
抱かれる時だけは別だった。
人のココロは変わってくけど
その瞬間だけはどんな男でも
目の前の自分しか見えなくなる。
「だから今夜、私を抱いたの?」
「お前のカラダが寂しいって言ってたからな。」
「言ってない。」
「言ってるよ。
もう泣くなよ。俺がずっとそばに居てやるから。」
でも梨花がそばにいて欲しいのはもう土方じゃない。
それでも揺らいでしまいそうだった。
「バカなこと言わないで。
今そんなこと言われたら…」
土方が梨花の口をキスで塞ぎ、
梨花を抱きしめる。
すると突然、風間が部屋に飛び込んできた。