Spice‼︎
梨花は何となく桐原と恋に落ちる予感がした。

桐原が何気なくネクタイを緩める仕草に
梨花は男の色気というものを初めて感じた。

「藤城は海外事業部の土方と付き合ってるんだろ?」

「そんな事まで知ってるんですか?」

「土方は出世頭だからな。

藤城のことうちの課の女の子が妬んでたよ。」

「そうなんですか…」

「でもアイツもうすぐニューヨークへ転勤だろ?

結婚するのか?」

「いえ、しません。

私…結婚はしない主義ですから。」

その言葉で桐原の気持ちはグンと梨花に傾いた。

桐原にとって梨花はあまりに魅力的だったからだ。

「でも土方が居なくなると寂しくならない?」

「誰かいい人見つかると良いですけど…」

そういって桐原を見つめた。

見つめられた桐原は梨花にキスをした。

「少し飲みすぎたかな?」

「家、すぐ近くですけど…休んで行きますか?」

桐原は少しビックリしていたが

「いいかな?」

と微笑んだ。

梨花のマンションは女の子っぽくない
サッパリとした部屋で
桐原は何となく梨花に孤独を感じだ。

「土方は来ないの?」

「今日は出張です。

それにもう…別れますから。」

桐原が梨花の腕を掴み自分の方へ引き寄せる。

梨花は自分からキスをした。

桐原が会社の上司ではなく、ただの男に変わっていく。

「藤城…白状すると本当はずっと気になってた。」

「え?」

「時々お前に見とれてた。綺麗な子だなって。

あそこで逢えたのは偶然だけど…

逢えた瞬間、こうしたいと思ってた。」

桐原が梨花のシャツのボタンを外しながらそう言った。




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