ずっと、そばにいたのに。
ずっと、そばにいたのに。

じゃあ、付き合おうかな。



コウちゃんにおかえりなさいって言う時が一番幸せなの。

誰がなんと言おうと、この世で一番、幸せな瞬間なんです。


「コウちゃん、待って! せめてリンパマッサージだけさせて! お願いします!」

「うっせー、近寄んな」

「その綺麗な顔がむくんでもいいの!?」

「むくんでも傷ついても剥けてもいーわこんな顔! あー、ひげ伸ばそっかなあ」

「ひぃ、なんてこと言うのっ」


白目向いて泡吹きそうだよ、私は。

マッサージクリームとヘアバンドを持って、私は部屋の中でコウちゃんを追いかけまわしていた。

私は今年で18才。重松 航(シゲマツ コウ)ことコウちゃんは20才。コウちゃんとの関係は、いわゆる幼馴染でお隣さん。

コウちゃんはめちゃくちゃ勉強して某難関私立大に受かった。どうにもインカレで女の子にモテまくりたかったらしい。

ただいまチャラチャラ真っ盛りの大学2年生です。

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